Night and Day

あゝ残骸

キリキリキリキリキリー

先週、ヤホーのトピで埼玉愛犬家連続殺人事件の容疑者が留置所で死亡というニュースが出ていました。以前の記事でもちょっと触れましたが、園子温監督のホラー映画「冷たい熱帯魚」はこの事件がモデルになっているんですよね。容疑者を演じるでんでんさんの見ごたえのある怪演が素晴らしいのでゴア耐性のある方にはオススメです。

オバケではなく人間が怖いジャパニーズホラーと言えばやっぱり三池崇史監督の「オーディション」が浮かびます。

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2000年の第29回ロッテルダム国際映画祭の上映では記録的な人数の途中退出者を出し、映画を観た一人の女性客が三池監督に「悪魔!」と激怒して詰め寄ったという一幕があったとか、2001年にアイルランド映画協会員限定で無修正版が上映された際には会員の何人かがショックで倒れ、そのうち一人が病院に運ばれる事態が起きたとか、三池監督の元にマリリン・マンソンから電話があり通訳ごしに「オーディションをリメイクする機会があったら俺を使ってくれ」と言われたとか色んな逸話がありますが、米国TIME誌が2007年に「ホラー映画トップ25」を発表した際に邦画で唯一選ばれたのがこの映画だったそうで、怖さはお墨付きであります。

あらすじをざっくりと説明しますと、妻に病気で先立たれ男手ひとつで息子くんを育ててきた中年のおじさま青山さん(映像制作会社を経営している)が高校生になった息子くんから再婚を勧められ、映画の主演女優オーディションにかこつけて再婚相手を探すといった所から始まります。その中でとても気に入った女性がいて交際を始めるのですが、その女性がとんでもない地雷ちゃんだった!という内容であります。

ネット上にあるこの映画の感想を見ていると男性と女性で視点がちょっと違った所も面白かったんですよね。男性は怖い!としか言ってないんですが、女性はスカッとした!とまで書いてある人もいらっしゃって。

世の中には「女性はこうであるべき」というような無言の圧力みたいなモノがあると思うのですが、そういった日本の風潮がこの映画の中では所々に描かれているんですよね。外国からは女性軽視だと批判もあったそうですが、男性の女性に対する価値観といった部分に対するアンチテーゼとして三池監督もあえて意識したんだとか。

かく言う自分は映画を見ている最中はショックで倒れた人がいたなんてどんだけえっぐいシーンがあるんだろう、そんなシーンに私は耐えられるのかとガッチガチに構えるのに必死で、そこまで理解するに至らず色んな感想を読んでようやく「そういえばそんな気もした」程度だったんですけどね(笑)

そもそも、こういった価値観は日常生活において当たり前になっていてピンと来なかった部分が大きいのかもしれません。ただ個人的に思うのは、凝り固まった価値観を押し付けられているのは女性だけではなく男性に対しても少なからずある事だと思うので、男性ばかりが悪者になるのは如何なものかとも思うんですけどね。

青山さんは地雷ちゃんから愛情表現という名の拷問を受けるのですが、地雷ちゃんが悪い男を懲らしめる女性ヒーローの如く見えた女性もいたようです。そして男性がこの映画に対して抱く「怖い」は「女性は怖い」という意味も含まれているのかもしれませんね。

それよりもキャストの名前に大杉漣さんの名前があったけど、どこにも出演してなかった事が気になったりしてて。映画を見終わった後、(上の動画にも映っております)ズタ袋の中に収納されている人間のようなものが大杉漣さんだったのか!!と衝撃を受けた訳でありますが、身体の色んな所が切断されてる上に食事(というかもはやエサ)が地雷ちゃんの吐瀉物でスプラッターシーンよりコッチの方がキツかったかも^^;

栗山千明ちゃん主演のホラー映画「エクステ」での怪演がとっても良かった大杉漣さん、この映画でも見事でありました。エクステも園子温監督でしたよね。

そして青山さん役の石橋凌さんと青山さんの旧友役の國村隼さんっていう画面を通しておっさん臭さが漂ってきそうなキャスティングも秀逸だと思いました。

この作品は日本のプレイヤーで再生出来るディスクがなかなか手に入らない(中古品は出回ってるけどプレミア価格でお高め)のですが、現在はアマゾンのプライムビデオで冷たい熱帯魚と共に見られます。(私もプライム会員だった時に視聴しました)

最近は暇さえあればポケGOをやっているのでしばらく映画も見てないんですが、久しぶりにえっぐいホラー映画が見たいな!ホステル2ヘルレイザーの6作目(リターンオブナイトメア)以降が見たいと思いつつかなりの時間が経ってしまいました^^;

ピン様待っててー!