Night and Day

あゝ残骸

あくまで悪魔/天使にしやがれ

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さよならサブカルチャー以来、約4年ぶりとなるアーバンギャルドのシングル。

世知辛い現在の音楽シーンでCDシングルを発売するアーティストって減ってきていますが、私の世代くらいまではシングルが主でその集大成がアルバムという印象が強いのではないかな。

天馬さんもnoteで書いていたように、アルバムより曲数が少ない分だけ鮮烈でアーティストの「今」というモノが感じ取れるシングル音源。カップリングが意外と名曲だったりして。

1曲目と2曲目のコントラストも楽しめるのがシングルの魅力だと思うのですが、今回のアーバンギャルドのこのシングルも悪魔と天使という二極性をうまく利用した構成になっています。あくまで悪魔はアッパーの効いた楽曲ですが天使にしやがれは80年代のディスコシーンを思い出すようなアレンジが優しい印象の楽曲で、一見対極しているように見えてメッセージには共通点を感じます。

あくまで悪魔のけいさまのピアノが美しい。よこたんの衣装がレオタードという身体の張りっぷりも。そして天馬さんの90年代の音楽シーンに対するリスペクトの気持ちもこのシングルというカタチの音源に詰まっているような気がするのです。

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「CDが鏡面になっている理由は自分の顔を覗き込むためである。鏡であることだけがCDに唯一残された価値だ。」 松永天馬

鏡に映った自分は天使か悪魔か。

人間の外見というモノは今まで生きてきた中で積み重ねてきた観念の一種で、髪型やメイクや服装といったファッションは自己顕示欲という攻撃と防衛を兼ねた鎧のようなモンだと私自身も思っているのですが、天使にしやがれは女性がヒールの靴を履く理由が上手く描かれていて女の子戦争の歌詞にも通じるモノを感じました。私もヒールの靴は大好きなんですが、根っこにあるのはきっとそういう事。

好きなアーティストというのは自分を映す鏡でもあると思うんですよね。聴いている音楽でその人の人となりが何となく透けて見えるし、歌詞に自分の心境を重ねて共感してみたり。好きなアーティストの作品と向き合う時間というのは鏡で自分の顔を見る時間と似ているのかもしれないですね。

今回の音源を聴いて改めてそんな事を思いました。

アマゾンで購入したので特典でアコースティックCDが付いてきたのですが、原曲とはまた違った雰囲気の楽曲が楽しめて新鮮でした。アーバンのアコースティックライブにはまだ参加したことがないので、機会があれば行ってみたいな。

note.mu