Night and Day

あゝ残骸

自撮者たち

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3分の2ほど読みましたが面白いです。

よこたんも「彼の言葉を唄えてること、とても光栄ですね。」とツイッターでつぶやいていましたが、本のタイトルはもちろん、文中にもアーバンギャルドの楽曲のタイトルや歌詞がふんだんに使われており、楽曲の世界観や解釈が更に広がる面白さもあります。
天馬さんに「少女」を書かせたら(歌わせたら)右に出る者はいないだろうと改めて思いました。

天馬さんは学歴からも単純に「頭が良い人」だというのは分かりますが、それだけじゃなくて、教養があり、詩のボクシングで何度も優勝出来るくらい言葉を繋いで生み出すセンスがあり、あらゆる物に対する知識と観察力があるからこそ、この世界観を描ける部分が大きいと思うんです。

少女と政治と時事と歴史が、生と性と死と言葉と色が、点と点を線で結ぶと1ミリの狂いもなくしっかりと交わってリンクする。

これが天馬さんの描く「少女」であり、アーバンギャルドだけが持つ独特の世界観だと思うんですよね。

アーバンギャルドを聴いている奴はメンヘラ、なんてのをネット上で良く目にするし、よこたんのMCでも「病気の皆さんこんばんは!」という挨拶が定着しているけど、アーバンギャルドの描く世界というのは精神病に特化したものではなく、単に臭い物に蓋をしていないだけだと思うんです。

思春期真っ只中の女の子も、かつて思春期を経験した女性も、心のどこかで感じた事のある思春期特有の言葉では言い表しがたいようなモヤモヤ。
大人じゃないけど子供でもない、子供じゃないけど大人では無い、そんな微妙な年齢の狭間で抱いた言葉で表しがたいようなモヤモヤ。

天馬さんの言葉を借りるとするなら「少女特有の過剰な自意識」になるのかもしれない、この「モヤモヤ」をアーバンギャルドはオブラートに包まずにそのまんま表現しているに過ぎないと思っています。

アーバンギャルドのファンって10代~20代前半が最も多く、8~9割が平成生まれだと思うので、ライブに行くとみんな若くて羨ましいなぁなんてBBAは思ったりもするのだけど(笑)、天馬さんと同い年だからこそ分かる「少女像」がある。
天馬さんが17歳の頃、私も同じ17歳という目線の高さで見て来た空気を感じる事が出来る部分は嬉しいなって思うんですよね。