天馬さん初のソロアルバム、男性の自慰行為は商品になりますか?という中年男性からの問いかけだそうですが、聴いた後はコッチまで脱力賢者タイムになるような濃ゆい内容となっております。
アーバンギャルドの歌詞は少女というコンセプトで俯瞰的に女性目線で書かれている部分も多いと思うのですが、この作品ではソロアルバムらしく男性目線というか天馬さん目線で書かれていて新鮮。でも、逃れられない生と性と死といったテーマや90年代のJ-POPや80年代のダンスミュージックを彷彿とさせるポップでキャッチ-なメロディに乗っかる破滅的な歌詞といったトラウマテクノポップは共通していて天馬さんのオハコといった印象。
キスマーク/唇とハートマーク/心臓は天馬さんらしい詩の朗読となっております。天馬さんの日記帳をこっそり盗み見た感覚になるくらい結構ぶっちゃけた内容。知的かつ恥的で性的なんだけど文学好きの天馬さんの表現力なのか不思議とエロは感じず芸術っぽさすら感じてしまうのだけど。
ハイポジの身体と歌だけの関係のカバー、原曲もつべで聴かせて頂いたのですが原曲とは全く違う楽曲に仕上がっています。天馬さんばーじょんの方がテンポアップされアッパーが効いた歌モノになっていて個人的には天馬さんのが好き。しかし、もりばやしみほさんて凄く刺激的で面白い歌詞を書く方なんだなぁと。当時、ネットが普及していたら戸川純さんと並んでサブカルの女王なんて呼ばれていたのかもしれないですね。がんがんやって早く飽きてね!!
新しい命をつくる事、それに付随する恋愛や行為といったモノは現代社会でどこか神聖化されつつあるけど、それほど明るいモノではなく常に暗い側面も伴うといった天馬さんの考えを感じますが、ブルゾンちえみが「女に生まれて良かった」と言えばアーバンは「女の子にならなきゃよかった」と歌う。後者のような葛藤を感じた事がある女性はこのアルバム(男性の自慰行為)に少なからず共感出来る部分があるんじゃないかなと。
この作品を通して天馬さんの書く文章に更に惹かれる事となりました。商品になります!!
原稿用紙に天馬さんの直筆で書かれたデザインのブックレットも雰囲気が出ててステキ。
ブックレットやMVで共演している冨手麻妙ちゃんも雰囲気があってキュート。元AKBって所もミソですな。よこたん助演で見てみたい気もするけどそれじゃアーバンだな(笑)