Night and Day

あゝ残骸

不惑惑惑

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「四十手前のカーブで事故った自己愛性人格破綻者」

 

46都道府県ツアーを無事に終えた天馬さんの新しい音源ヘビロテ中♪

キングサリが可愛いバニーガールアーミー、ピコピコしたサビへの転調が心地よいSEXY HARAJUKU(略してセクハラ)、自分が参加した5月の長野公演でも演ってくれたキリスト・ロック、超が付くくらいの失恋ソングだと思った君とは結婚すると思ってたんだ、そしてタイトルチューンになっている不惑惑惑など濃ゆい全10曲で構成されたアルバムとなっております。

孔子の「四十にして惑わず」…「不惑

人間は40歳にもなればいろんなものから解き放たれて戸惑いもなくなるし自由になれますよ、という言葉であったはずだけど現代社会において40歳で不惑になる人なんているのか。結婚もしてないし子供もいない。バンドが解散したり活動休止をしたら句読点をつけることができたのかもしれないけれどそういうこともなく、曖昧なままずっと青春の終わりを先延ばししてるような感じで気が付くと40歳になってしまった。

「大人」って何なんでしょう?

タワレコのインタビューで語っていた天馬さんですが、過去の2作品以上にそんな天馬さん自身がより曝け出されている印象を受けました。

ボーカルディレクションによこたん、作曲編曲にけいさまというアーバンギャルドのメンバーはもちろん、46都道府県ツアーでギターサポートを務めていた高慶さんもギターと作曲編曲で参加されておりますが、今回のアルバムで1番好きなパフェ評論は高慶さんの作曲編曲なのです!こんな素敵な曲を作る方なんだと新しい発見。そしてアーバンギャルド界隈でもちょくちょく名前を聞くじゅんじのところ(HALATION)でサポートやってたおすぎこと杉山圭一氏も今回も編曲で参加されています。相変わらずいい仕事してますな!豪華メンバー参加という部分も聴きどころ。

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私自身も「大人」という言葉に縛られて「大人ってなんだろう?」ていう自問自答を繰り返してた時期がありました。奇しくも天馬さんと同じ82年生まれの40歳ですが当然不惑とは程遠い。皮肉にもアーバンギャルドや天馬さんの楽曲に惹かれるというのが1番の証拠であります。

私は既婚者ではあるけど結婚を機に大人になったぜ!と思うことは1ミリも無かったし、子供がいたらまた違ったのかもしれないけど、追い込まれても自分の遺伝子を残したいとどうしても思えなかった生物としては欠陥であろう人間なので、青春の終わりを先延ばしして気がついたら40歳になってたって言葉に本当に共感しかない。不惑惑惑の歌詞にあるようにどうやらこのまま死んでゆくんだろうなと。こんなおばさんの心に寄り添ってくれるような音源でもあったし、自分も40歳という同じ年齢目線でこの音源を聴けて良かった。

でも、結婚もしてないし子供もいないってこれだけハッキリ言ってくれると所謂ガチ恋しているファンはちょっとホッとしたんじゃなかろうか笑

人気商売に身を置く人が結婚するとファンが減るのは分かりやすい構図ですが、ガチ恋とまではいかなくとも異性の推しに対して恋愛感情のようなものを抱いているファンって少なくないと思うんですよね。誰のものにもならないで欲しい的なw

推さないでで歌われているように、我々ファンというのはステージに立つ推しの姿しか知らないし恋しているのはその姿に過ぎないのだけど。

天馬さんが結婚して父親にでもなったらちょっと寂しいかも。結婚して家族を持つことが神聖化されてしまった現代で尖った孤高の人でいて欲しいというか。ダウンタウンの松ちゃんが結婚した時に感じた寂しさと似ているかも。マツコ風に言うなら「あなたもここから逃げるのね」って。

そうなったとしてもステージの上では「松永天馬」をずっと演じてくれるんだろうなって思っています。

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